♪お魚くわえたサザエさん♪ 〜江利チエミに捧ぐ〜 特集

・つーワケでね、態々浅草行って『サザエさん』観てきましたよ。初めて行ったけど凄いな、あの区画は。日本の芸能文化が一括りにされてたよ。目の前はストリップ劇場だし。斜向かいは演芸場だし。
・昭和の歌姫として、当時は美空ひばりと並ぶ人気を誇っていた江利チエミの人気シリーズでありながら、権利関係でビデオ・DVDなどのソフト化が不可能となった作品。全10作品の内、今回上映したのは1〜4作目の4本。
・“『サザエさん』の実写化”と書くと、(昨今の漫画・アニメの実写映画化ブームと相俟って)イロモノ感を拭えないが、実際にはアニメ化よりも遥かに先。日本初の国産アニメである『鉄腕アトム』より7年早い。
・原作のエピソードを繋ぎ合わせたギャグパートは、時代背景の関係上、現代風アレンジをせざる得ない今の『サザエさん』よりも原作に忠実。また、オリジナルのパートであるサザエとマス夫のメロドラマと、江利チエミの唄が原作の味を損なわず上手に混ざり合っているのが印象的。更には伏線の張り方が丁寧で、一度限りのネタかと思いきや、シリーズを通して何度も活かされているのは、一年間に2本という短い制作ペースだからこそ出来る芸当。何だよ。普通に面白ぇじゃん。小学生の頃に原作を殆ど読んでるから、オチは判りきっているというのに…。
・アニメとの最も大きな違いとして、波平のキャラ設定が挙げられる。カミナリ頑固一徹な親父像のあるアニメ版と違い、映画の波平は新しい世代に理解を示す少し気の弱い中間管理職として描かれる。これはかなり新鮮。まぁ、実際に丸眼鏡でハゲチャビンのスタイルをしたオッサンがどんなに怒ってても、そんなに怖くなさそうだしね。あと実写のワカメって萌え(ドサクサに紛れて何言ってやがる)。
・まぁ、全体の感想としてはこんな感じかしら。個別の雑感は暫く休憩入れてから。