しかも和田ラヂヲが似顔絵描いてら

okmonster2007-12-05

北村龍平監督の『ラブデス』を観る。
"気に入った新人女優がいたからそれで映画を一本こさえる"という新東宝イズムの溢れた、中坊センスフルスロットルの自主映画。
「チンピラが組長の女連れて逃走」という使い古されたプロットにクセのあるキャラクタを配置しただけで"新感覚ムービー"と言い張る強引さや、明らかにモデルガンなのにそれを隠そうともしない開き直りがいかにもインディーズっぽい。…まぁ、ハリウッド進出まで果たした監督捕まえて「自主映画っぽい」ってのが褒め言葉になってないのは重々承知してるが。
監督が貧乏性なのか編集がダメなのか、使えそうor面白そうなカットを全部ブチ込んでるらしく*1、そのくせストーリーに絡む描写は皆無なもんだから150分以上の長尺なクセに内容はスカスカという、まるで縁日のカルメ焼きみてぇな作品に仕上がっており(つーか、北村作品っていつもムダに長いよね。)、のるかそるかが大きい作品であるのは確か。この駄菓子テイストが好きって人も結構いるわけだが、30分観てクスリともできなかったら観るの止めた方がいいかも知らん。
ただ、三池崇史監督の『IZO』とまではいかないが、ムダ遣いとも呼べる狂ったキャスティング(1シーン出てきては瞬殺されるPUFFY吉村由美とかチャック・ウィルソンとかニコラス・ペタスとか)は魅力。特に『きかんしゃトーマス』のナレーション風に話す拷問師役の森本レオはツボ。あと、「最後に愛は勝つ」ってセリフを使いたいが為に医師役にKANを配役するセンスは嫌いじゃない。海外のコメディ映画にゃこのテのネタが多いけど、最近の邦画じゃ珍しいんじゃないかと。

*1:ぶっちゃけ六平直政の演技はもっと切っても良かったんじゃないか