最期に見る夢が美しくない筈がない

BSで『怪奇大作戦 セカンドファイル』の第二話『昭和幻燈小路』を観る。
"痴呆気味な老人の過去の記憶が視覚化され現実世界を侵食していく"というお話で、正直『怪奇大作戦』で扱う題材ではなくて寧ろ企画段階の『ウルトラQ』に近いノリだよなぁ。とか思いながら最後まで観賞。
所謂「古き良き時代」ってヤツを愛おしく描く、窮めて懐古的な作品なのですが、「昔は良かった」って発想は、当時の嫌な思い出を"無かったこと"にしてるから出来るんじゃないの?とヒネた考えをしてしまう俺。実際この爺さん、娘の死を"無かったこと"にしてるからね。美化された老人の思い出で構築された世界だったからこそ、巻き込まれた町民達が皆世界に順応でき、「これはこれでアリかも」って思えるんじゃないかと。
まぁ、立ち止まるコトも大事だが過去を振り返ってばかりはいられないと、路面電車の停車・発車の合図で幕を引く辺りが巧いなと思った。
劇中に登場する昭和中期を髣髴させる町並みの数々は、オリジナルの『怪奇大作戦』に似た雰囲気を醸し出していて非常に好印象。「ああ、まだ都内にこんな場所が残ってるのか」と、感慨深げになってたんですが、スタッフロールに「江戸東京たてもの園」の文字を見つけてちょっとガッカリ。何だよ一部セットかよ(当然だ)。
その後、ぶっ続けで旧作セレクションを観る。『京都買います』なんて今年だけで何回観たんだよ。って位観てるのに、また観ちゃうんだよなぁ。