さて、ここからがネタバレなんですけど…

本作のクライマックスでは、こてんぱんにやられてしまった主人公がトドメを刺される刹那、持ってきた栄養ドリンクを飲み干します。おそらくゲーム中に登場するライフ全快になるアイテムなのでしょうが、これによって瀕死の重傷がウソみたいに完治。ラスボスっぽいヤツに勝利します。
観てるときは「ありえねー」と爆笑していましたが、しかし非現実でありながら、"みんなの想い"とか"愛の奇跡"なんて百万回使い古した抽象的なモノよりも遥かに説得力のある代物で勝利を収めていることに気付く。
今までゲームを映画化する際、ゲームの設定や画面、内容などをなぞることはあっても、ゲームのシステムそのものを映画で見せることはありませんでした。少なくとも俺は知らない*1
例えば『バイオハザード』なら、ゾンビが出てくることもハーブを調合してライフ全快にさせるのも同じぐらい有り得ないコトなのに、映画化されたらハーブ云々の箇所をまずカットする。だが、ゲームをプレイするときに肝要な部分は後者の方で、闘う相手は別にゾンビでもナマコでも構わない。
つまり、今までの"映画化"とはあくまでゲームの表層的なモノを再現しただけに過ぎず、本作の様な"ゲームシステムに忠実な描写"は全く描かれる事は無かったのではないか?
そう考えると、本作は"ゲームを映画化"という観点から見れば最も成功している部類なのではないかと思ったり。

*1:ホントかウソか知りませんが、嘗て『スーパーマリオ』が実写映画化されるとき、実際にキノコ喰ってパワーアップする設定があったらしいのですが、キノコ=ドラッグのイメージからナシになったという噂がありました。