1月28日③

okmonster2006-01-31

で、浅草東宝最後のオールナイト上映「岡本喜八傑作特集」を観る。流石に最後と云うだけあって、客入りは上々。それでもキャパの半分程度しか入らないってのは、なんだかやるせないような気持ちもするが…、もっとも“大劇場なのに閑散とした雰囲気”というのも浅草東宝の持ち味であるワケなので、客が来ない事を嘆くより「こんな居心地の良い場所なのに勿体ねぇなぁ」と思う方が良いのかも知れません。
そりゃ、上映中にフィルムが焼き切れて上映が中断したり、焼き切れたフィルムを繋ぎ合わせてる所為でセリフが一部飛んでたりと、必ずしも良い状態で流されるワケではありませんし、客だって単に宿代わりとして利用してる人とか居るんで目覚ましアラームかけてるヤツとかいるし、この前は俺の斜め後ろの席に座ってたヤツが俺の席の隣に足乗っけやがってウゼぇのなんのって…要するに、ここはマニアっつーか、好事家やロクデナシの溜まり場みたいなトコなんですな。
今回は『殺人狂時代』『ああ爆弾』『大菩薩峠』『血と砂』の4本を上映。観て思った。やっぱ岡本喜八監督って凄ぇや。
後の2本は初めて観たんだけど、『大菩薩峠』はラストの20分ぐらいが壮絶で最初の方なんて忘れてしまう程のインパクト。ちょっとネジの外れた二枚目を演じさせたら仲代達也の右に出る役者は居ないんじゃないか?
血と砂』はフツーに傑作でした。やっぱ、戦争映画は戦争体験者にしか撮れないって痛感させられるわ。
上映が終わって客席から拍手が飛ぶ。釣られて俺も手を叩く。
「これで、おしめぇ」
同じく岡本喜八監督の『EAST MEETS WEST』で竹中直人が最後に呟いたセリフが脳裏に過ぎる。そういやこの映画もココで観たことあったっけ。ともあれ、長い間ご苦労様でした。
あー、これでオールナイト上映を定期的にやってるのは池袋の新文芸坐だけになってしまいましたよ。