最初の"THE"を「ザ」と読むか「ジ」と読むかで悩む。

友達と新宿で『THE 有頂天ホテル』を観に行く。バイオレンスもロケンローも無く、登場人物が皆、“イイ人”という三谷幸喜の健全でクラシカルで王道を行く、正に「喜劇」と呼ぶに相応しい作風は、正直俺の好みでは無いのですが、それでも大人数のキャストにそれぞれ見せ場を作り、尚且つ物語を破綻させないバランスを保たせる脚本の力量は認めざるを得ません。よくこんだけ内容タップリで二時間に収めたモンだ。まぁ、欲を言えば本作の封切りは年の瀬にして欲しかったですね。せっかく大晦日の話なんだから。
で、その後『輪廻』をハシゴして観る。同じホテルの話なのにこの落差はなんだろうね?コレもツレと一緒に観に行ったんだけど、見事に鑑賞後の意見が別れた作品。俺はかなり好きなんだが、友人曰く「面白いけどオチが気に入らん。」とのこと。途中のミスディレクションとかは巧く出来てると思ったんだけど、例えば「椎名桔平が演じる映画監督は実際にはドコで死んだのか?」とか、「なんで試写をやってんのか?」とか。そういう“後日談”めいた部分に釈然としないモノを感じてしまうんだと。
いやぁ、でも怖い話に整合性を求めちゃいけねぇよ。ホラーで評価すべき箇所は、いかに人を怖がらせられるかというトコのみだと思うんだ、俺は。そうしたイミではコレは頗(すこぶ)るつきですぜ。同監督でも『呪怨2』よりか確実によく出来てるから。