爆裂都市 BURST CITY 雑感

ビデオ鑑賞。
俺に“パンクのライヴでは、必ず豚の臓物を投げるパフォーマンスがある”と、偏った知識を植え付けたパンクバンドのスターリンが出演して、やっぱり客席に豚の臓物をブン投げては「テメェらゴミだ！蛆虫だ！」とアジる映画。最近、同名の香港映画がリリースされて、紛らわしいコトこの上無かったり。
近未来のスラム化した街が舞台で、絶叫したり喧嘩したり暴走したり歌ったりファックしたりして、最後に大暴れするという内容。もうこれだけで作品の殆ど全てを説明出来てしまうのは素晴らしいとしか言いようが無い。
主演（つっても、主役らしい行動は皆無）はロッカーズ時代の陣内孝則。今ではすっかり三枚目キャラを定着させてますが、昔は革ジャン羽織ってヤンチャをしていた頃があったそうな（まぁ、今聴くと80年代の原宿ホコ天臭さの漂うダサい歌詞もチラホラ耳にしますが…）。他にもコント赤信号が劇中で持ちネタを披露し、元・パンク侍で現・芥川賞作家の町田康(町蔵)が、キチガイ兄弟（役名）の弟役で登場。終始ずっと叫んでるだけという、これまたパンクな役柄。あとはチョイ役だが旧日本兵の格好をした大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎と、セリフ棒読みでかえって味が出てしまった上田馬之助が妙に印象に残る。
正直、セリフは聴き取り辛いわ、キチンとした説明はされないわで、映画としてはかなり難があるのだが、疾走感溢れる映像は、どこかで起きた暴動を記録してそのまま流したようなエネルギーを感じる。
徹頭徹尾暴走しっ放しのハイテンション。土曜の夜に観る事をお勧めする。
ところで、劇中でスターリンの歌ってる『メシ喰うな』って、INUの曲じゃなかったっけ？それと、遠藤ミチロウの爆死シーンの演出は明らかに『ファントム・オブ・パラダイス』からパクったろ？