銀河ヒッチハイク・ガイド 雑感特別編

okmonster2005-09-20

感想っつーか寧ろダラダラ会話してるだけ。その点は御了承を。

9月16日MSメッセンジャーでの会話より抜粋 *ネタバレ多目

キノコ(以下キ) :俺さーマーヴィン(右図)がすげー気に入った。
俺 :いきなりそれかい。うん、まぁ、でもわかるよ。中の人はスターウォーズでイウォーク族の中の人もやってたり。
キ :へー、かわいいところどりじゃん
俺 :中身は小人のオッサンなんだがな。

神の指は13本

キ :内容に関しては不可解な点が多いよな。
俺 :だって、イギリス制作のコメディだもの。モンティ・パイソンのノリだよ要するに。『映画秘宝』にも書いてあったけど、ヤンキーは宇宙を冒険のフィールド…つまり、“人と宇宙が対等に渡り合える世界”としてしか描かないが、ジョンブルは宇宙は広大で不条理で神秘的なモノとして扱うんだと。
キ :民族性の問題か。
俺 :つまり、広い宇宙で人間なんてのはちっぽけな存在だと自覚している人向けなんだよ。コレ、タイトルから壮大なスペース・ロマンか何かを想像してる人間には、さぞかし肩透かしなんじゃないだろうか?
キ :まぁ、普通に映画として楽しかったから、そんなに観る人を選ぶモンでもないとは思うんだが。
俺 :でも、色々疑問が投げっぱなしだったろ?ああいうのって原作読んでないと辛いんじゃねぇ?
キ :確かに42がなー、俺もオメェに説明されないと解らなかった*1。実際小説の方では答えは出てるの?
俺 :出てないよ。仮説のみ。一般的な見解は以前に言った「誤答」なんだよな。
キ :仮説の中では「13進法なのではないか?」が一番しっくりきたけどな。
俺 :まぁ、フツー13進法なんて使わねーよな。作者も気付いてなかったみたいだし。つまり、宇宙の基本は13進法ってコトか。だからきっと神様がいるとすれば、指が13本あるんだろうな。
キ :でもコンピュータの世界では別の数進法での計算はよくある話だからな。ディープスロートって聞いた名だなと思ったら、IBMのスーパーコンピュータなのね*2
俺 :いやいや、「ディープ・スロート」違う。ディープ・ソートです。「ディープ・スロート」つったら色々別の意味があるだろ*3
キ :まぁ、コンピュータの癖にアニメ見てるってのがまたシニカルでいいよね。しかも、忘れ去られたように古びてた外見も素敵。
 
俺 :因みに、地球を破壊したのがバカ大統領のサインってのは映画オリジナル。
キ :あっそうなんだ、じゃ原作では普通に宇宙バイパスのために壊されたわけ?
俺 :いいや、続編で究極の問いが求められるのを恐れた精神学者が金を出して破壊させたってコトが判明するんだ。だから、こうまで設定弄っちゃったら、続編作らないのかなー…って思ったり。
キ :まぁこれは一作で完結でしょ。
俺 :ジョン・マルコビッチが演じた下半身の無い大統領の対抗馬もオリジナルキャラ。つーか、あれがマルコビッチだって全然気がつかなかった。
キ :あー、あれマルコビッチか。どっかで見た顔だと思った。でも眼鏡かけてたからはっきりとはわからんかったしね。
俺 :しかも眼鏡とったら目無いし

ハンドメイド地球

キ :地球を一生懸命作ってるところとか好きなんだよな映像的に。
俺 :地球を作る部分は俺も好き
キ :エアーズロックをペンキ塗りしてたり、海に海水をホースで汲んでたり…。更に地球の土台は鉄筋だしな。
俺 :地味な作業だよね。ドラえもんでも地球を作る話があったけど…。でも、この小説って発表されたの79年なんだよ。丁度俺らが生まれた年。それで、このセンスはすげぇな。って思わねぇ?
キ :マジでか?衛星が宇宙をようやく飛び始めた頃じゃんか。
俺 :だから、カルト小説になってんだよ。因みに俺が一番好きなシーンは落下するクジラの語り。まさか、あんなに泣けるシーンになってたとは。
キ :一瞬で人生が終わる間のあれこれか。俺はあの雪原のワープホールでのやり取り、その後マーヴィンと寄り添って夕暮れを望みながら座ってるシーン。
俺 :オマエ、本当にマーヴィン好きだな。俺は絶対友達にしたくないが。
キ :まぁ時折隣にいてくれるとほっとしそう。要はあれだ、自分より悲観的な人間をみてホッとする感じに似てる。
俺 :IQ161612も持ってるヤツだから、色々悩みも多そうだからな。でも、ヤツの本体は惑星サイズの電子頭脳だから、アレは端末みたいなモンだぞ。
キ :ということは壊れても替えがたくさんあるのか。
俺 :いっぱい居そう。
キ :そんなに要らないよ、一台でいい。

俺 :本作の欠点を挙げるとするなら、膨大な情報量故に字幕が追いつかないコトかな?諧謔的なセリフって遠まわしだから、理解するのに時間かかるし。
キ :でも、なんとなく見てればついていける感じだけどな
俺 :「なんか皮肉めいたナレーションだな」ってのは判るんだろうが、しっかり理解できないまま次のセリフが来てないか?
キ :特に一番最初のイルカの所はね。
俺 :あそこで、早口気味のナレーションに慣れておかないと、終始置いてかれっ放しだもんな。だが、あのミュージカルじみたOP曲はイイよな。
キ :♪〜さよなら、さよなら
俺 :今まで魚を有難う〜♪
キ :で、宇宙に飛んでいくしな
俺 :まぁ、実際イルカは賢いよ。『JM』でも凄腕ハッカーだったし。
キ :ごっちゃにするなよ。

キ :あの不確定要素ってのが結構微妙だよね。アレ物理とか知ってないとわかんねーよ
俺 :実は俺も大して解ってないぜ。
キ :一応説明から考えてみるとワープをすると光の速さを超えてしまい、現実の世界でちゃんとした自分のも出れなくなるって話でしょ?物質転移する際に分子レベルまで体が分解し目的地で再構築するときに不確定要素によってちゃんと元に戻らないっていう説の。まぁ、『スタートレック』と『ザ・フライ』から持ってきた知識ですけど。
俺 :ああ、分子レベルでの復元の話か。俺は「兎に角ワケ判んなくなる」ってコトで納得させてたからな。“不確定”ってのをトコトン突き詰めたのが本作のワープか。
キ :多分そうだと思う、そしてそれを直すためにいろんな姿に変わるんでしょ。まぁ毛糸になったりするのはコメディだけど、ほんとだったら遺伝子レベルで段々人間に近づけていくのが普通だと思う。
俺 :そういったイミだと最後にワープする際、一番最後に誰か人の顔になったろ?アレが誰なのか判れば、もっと面白かったんだろうな。
キ :ああ、はいはい。アレね、そうだよなー、全くわからなかったからなー。
俺 :原作者?違うかなー。ファンなら判るのかなー?
キ :どうだろ、ああいうのは本当ネイチャーな笑いだから他の国だと笑えねーんだよな、ちょっと悔しい。
俺 :というか、英国のジョークって大抵そうだろ?
キ :まぁな、アメリカのも結構そうだけどな。
俺 :オチも含めてそうだが、本作には微妙に排他的な笑いも含まれてると思うんだ。「このセンスが判らんか?」的な。
キ :結構知識要求されるよな。『チームアメリカ』のマット・デイモンみたいにさ。知らなければ笑えないもん。
俺 :マット・デイモンは出オチみたいになってたからまだ笑えるだろ。とにかく、良い意味でも悪い意味でも上品なんだよ、この映画。

採点

俺 :そいじゃ、点数と、良かったトコと、悪かったトコを
キ :3.5点。0.5点はマーヴィンに。よかったところは、SFコメディ久々に見れたトコ。悪かったところ、ガイドブックの説明が早すぎ。
俺 :3点。ほぼ原作通りのビジュアルと、一見の観客に媚びない姿勢が良し。但し、続編を作らないと消化できない伏線多過ぎ。ヒットしないと続編は作れないだろうに、ファン以外に全く相手にしてない嫌いがある。…質問だが、続編出たら観る?
キ :俺は見たいぞ。実際ビデオでたらもっかい見るつもり。ああいう映画は観る度に新しい発見が多そうでいい。
俺 :取敢えず、絶版になってる第三部を復刊して欲しい。つーか、行く前にまず原作読め。図書館で借りろ。と、言いたい。じゃなきゃ、ガイドラインか何かである程度内容を知っとけ*4。これだけで30%増は本作を楽しめる筈だ。以上。

*1:フリー百科事典『ウィキペディア』より、人生、宇宙、すべての答え

*2:チェス名人をやっつける為、最初に作ったスパコンの名が「ディープ・ソート」。まぁ、負けたけど。

*3:一番最初にエロい意味を想像したのは内緒だ。

*4:フリー百科事典『ウィキペディア』より、銀河ヒッチハイク・ガイド