人を怖がらせるって難しいよなぁ。

深夜にTVで『怪談新耳袋』を観た。オチではなくシチュエーションで怖がらせるタイプの怪談を、それぞれの監督がどう料理するかがミソなのだが、5分程度の短い話なので強引にホラーじみたオチをつけてるヤツよりも、起承転結の“承”辺りでブッツリと切る感じの作品の方が後味悪くて良かったです。そういったイミだと清水崇監督の「エレベーター」が一番キてる。下手するとシュールなギャグになってしまいそうな、笑いと紙一重のギリギリのトコで、見事に怖がらせている気がする。…やっぱ白塗りって誇張し過ぎるとギャグだろ。大駱駝鑑じゃあるまいに。
そもそも実際人生に於いてちゃんと起承転結のついてる出来事に遭遇する方が稀なワケで、「何だったんだ?今の?」的なリアルさは、ちゃんとオチが用意されているTVドラマに慣れきった人間にとっては非常に新鮮に映るのではないだろうか。
逆に『リング0』の鶴田法男が監督したエピソード「ニシオカケンゴ」は、「何か襖の向こうに幽霊が居るような気がして…」という不安定な始まり方だったので、この際“実際に起こった話”という縛りを完全に払拭して、「すべて主人公の妄想でしたー。」という別のアプローチで描いた方がより怖がらせられると思ったんですけど、どうでしょうか?安直ですか?そうですね。