高校大パニック 雑感

高校大パニック [DVD]
・新しく買ったビデオデッキの5倍速録画の画質確認を兼ねて鑑賞。猟銃奪った高校生が学校に立て篭もる話。観る側を鬱にさせる位救いの無い映画って、観るの抵抗あるけど、いざ観ると面白い作品多いんだよな。
・『狂い咲きサンダーロード』等、パンク・ロックな生き様を見せる主人公を描くコトで御馴染みの石井聰亙監督が学生時代に撮影した自主制作映画をリメイクしたもの。何故か、監督は本作をフィルモグラフィーから除外させているのだが、『五条霊戦記』なんかよりも余程残した方がいいんじゃねぇ?って思える作品。
・物語の発端である受験戦争云々といった社会問題は上澄みに過ぎず、真に描きたかったのは思春期過ぎの青年特有のもやもやとした不満と、その発散方法についてである。本編では反面教師として無軌道に大暴れする様を見せていたが、主人公が走ったり、ビールを呑んだり、だんじりに参加したりするシーンが突如意味ありげに挿入されるのは、多分、こうしたガス抜きもあるぞ。と、示唆する為のものであろう。
・しかし、やっぱラストに尽きる。ネタバレはしたくないので詳しく言及しないが、警官隊に囲まれ四面楚歌になり、「こうなったらカッコ良く自害しちゃる!」と息巻いてた主人公があっさり捕えられて無様に許しを請うセリフが、幼稚でヘタレで失笑モノ。だが、それが逆にリアリティ溢れてて、もう素晴らしすぎます。“学生はまだ若いんだから、その有余るエネルギーを社会にぶつけろ!”と言う反面、“所詮ガキ一人の力なんぞこの程度だから、あんまり無茶はイカンよ”と、宥めてるみたいです。
・…つーワケで、“捕まらない程度のパンクな生き方”を教育させるには最適な映画でした。