SAW 雑感

新宿武蔵野館で鑑賞。最早、割引料金でないと映画館に足を運ばなくなってしまっている。けど、浮いた金で売店のビールとか買ってるから、得はしてないんだけど。
酒鬼薔薇事件における最大克つ不条理な弊害は、“ホラー映画が青少年に悪影響を及ぼす”と槍玉に挙げられた事である。自分の価値観に絶対的自信を持つ自称健常者連中の、反吐が出るほどモラル満点な論調に気圧される形で、配給会社やビデオ店はホラー映画の自粛といった自主規制を敷いた。当時『スクリーム』を公開予定だったアスミックも、事件の影響により公開を半年延期した。至ってオチャメな内容である筈のソレを、どうして延期せざるえなかったのかは諸説あるが、当時高校生だった俺はこうした規制に対して憤りを覚えてたモンです。
・…で、そのアスミックがまたババを引いたと言うか、問題作にブチ当たったと言うか。今度は本作のレーティングに関してアメリカの方で一悶着あったみたいね。話題には事欠かないけど、こういうゴタゴタで急遽延期とかされると配給側は痛いだろうし。…まぁ、確かに内容から言うと、血はドバドバ流れるし、痛そうな描写にゃ事欠かないから仕方無いのだろうけど(本作に出てきた逆トラバサミが上手に“機能”してたなら、X指定だったかも)。
・生きてる事を実感させる為に死に直面させ、生き延びる為に必死で足掻く人間を出歯亀する殺人鬼と、その餌食になった人の話。見せ方も巧いし、オチには驚かされたが、その反面(ネタバレするので言及しないが)「それぐらい気付けよ」とツッコミを入れたくもなる。…ああ、ネタバレ避けると感想書くの大変だわ。
・最後に一つだけ。『映画秘宝』1月号に本作のネタバレを含んだ評があってさ、買った後も読もうか読まいか大分悩んでたんだけど、ホントに読まないで良かった。あれを読んでたら100%観に行かなかったって。