だけど決してエディプス・コンプレックスでは無いと思うんだ

映画秘宝』買いました。今月号では表紙を飾るのは中山一也と内田(シェギナベイべ)裕也、ラフィン・ノーズのチャーミーのインタビューに加え、『E.T.』と『ブラック・レイン』の特集という、21世紀に発刊されたとは俄かに信じ難い内容に、申し訳程度に最新映画特集が入っているという非常に情報量の濃ゆい雑誌です。
月刊化してから広告とかムダなアイドルのグラビアとか増えましたが、映画マニアになりたいボンクラのアンチョコには最適。特に『E.T.』の紹介文は凄いな。「『E.T.』なんざ散々語り尽くされてるから今更掘り下げるモノなんてねぇだろ?」なんて見縊っちゃいけねぇよ。
それじゃ、繋がりで『E.T.』に関して、俺の個人的な思い出話をさせてくれ。
どんなに世間で高い評価を受けようが、ウチのオヤジは『E.T.』に対して否定的だ。曰く、「どうしてあんな気持ち悪い生き物の肩を持つのか?」。曰く、「友好的な宇宙人の話なんてドコが面白いんだ?」と、あの映画が持て囃される度に、TV画面に悪態を吐く。…これってやっぱり外観だけで中身をちっとも評価してないのと違うか?更に「宇宙人=侵略者」というのはアナクロなイメージであると同時に、自分と異なるモノを拒む保守的な思想に繋がると思うんだ。奇しくも親父の言動は、大人を“子供に理解を示さない交渉不可能な存在”として描いた『E.T.』の見解と見事に一致する。
子供の頃に、このオヤジの感想を聞いて以来「ああ、この人は父親としては立派なのかも知れんが、映画を観る目と思想は最悪だな」と、父親嫌いに益々拍車が掛かりましたとさ。
PS.そんな父が好きな映画は、ジョン・ウェインの西部劇だったりする。