左ききのBaby

幼少の頃、俺は左利きであった。しかし両親が左利きだと日常生活を送る上で何かと難儀だろうと思った為、俺が物心つく前に右利きへ矯正させたのだそうな。その甲斐もあってか、今ではすっかり右利きの生活を送っている。無論、俺に左利きだった頃の記憶は無いし、左手じゃ平仮名だってマトモに書けない正真正銘の右派だ。
だが、ボケっとしていると無意識の内にモノを左で持っていたりする。それでも字を書くといった細かい作業をする場合なら、「あ、いけねぇ」と、即座に右手に持ち替えるのだが、慣れない行為や大雑把な作業の場合は、気付くのが遅かったりする。「何か切り難いなー。」とか思ってたら包丁を左手で持ってたり、右手で釘を押さえてたりってのはしょっちゅう。歯を磨く時なんかは左手の方がしっくりくる。ギターを弾くフリやをスペシウム光線の真似をする時もポーズが左右逆になる(それは違うと思う)。
そういや中学の頃に「左利きの方が天才が多い」ってのを間に受けて、左利きに戻そうと試みた事がある。一週間程授業の内容を左手でノートに書き記し、復習する時に何を書いたのかサッパリ解らなかったりしたのも、今となっては良い思い出ですね。
とは言え、中学生の自分みたいな左利き信奉者(と言うのはオーバーか)ってのは日本には結構居るようです。だって「左利きの日」って記念日が、8月13日の「世界左利きの日」と2月10日の「日本左利きの日」の二回もあるんだぜ?左利きだけに記念日を二日も割いているのかよ。…そういや、飛鳥時代辺りの日本の律令制度のモデルとなった中国の階級制度では「右大臣」の方が「左大臣」よりも位が高いのに、日本じゃ「右大臣」より「左大臣」の方が位が上だってのを、以前宮川賢のラジオで聞いたような気がする。何だ、何気に左贔屓なんじゃねぇか?
しかし、「天才が多い」とか「短命だ」といった、統計学で出された答えって、都市伝説並に信憑性が薄い気がすると思えるのは俺だけでしょうか?
PS・上記の「左利きは天才〜」繋がりなのか、昔UFO特集か何かでは“宇宙人は全員左利き”というトンデモ設定が為されてたコトがあった記憶がある。その設定はやり過ぎだって。