第3回「トンデモ映画会」改め 奇想天外シネマテーク4

okmonster2007-06-13

そしてトリを務めたのは数少ない東映怪獣映画の一つである『恐竜・怪鳥の伝説』。
まず一言いっておきたいが、本作に出てくる巨大生物はプレシオサウルスとランホリンクスの二匹で、分類学上だと首長竜は恐竜とは別グループに属するものであり、更にランホリンクスは翼竜だから鳥ではない。この時点で既にタイトルに明記されている『恐竜・怪鳥』の看板には偽りがあったり。
…と、いうワケで、観る前からしていきなしチョンボなこの映画。併映が鈴木則文監督の実写版『ドカベン』であることでも有名ですね。ただ、OPの曲がムダにイカしてて、ちょっと聞惚れてしまったり。
取敢えず予告編で、造形は見事だけどギミックが少ないのか全く動かないプレシオサウルスとランフォリンクスや、作品の雰囲気だけでも味わって頂ければ。
http://www.youtube.com/watch?v=JKz-2iaunzY
ところで、予告編でも大々的にフィーチャーされてる諸口あきらって何者ですか?*1
また、『悪魔のいけにえ』などによる空前のスプラッターブームを迎えていた最中なのか、死骸の描写だけはやけに丁寧で、半身だけの死体や洞窟に食い散らかされた人間の跡など、お子様には強烈過ぎる描写が盛り沢山。どういうつもりで撮ったんだろうか?
今回上映した三本が"ヒット要素を軒並みブチ込んで失敗した闇鍋映画"という点で共通するのであらば、本作も『ジョーズ』に代表される70年代後半のパニック映画ブームに便乗されて作られたものであり、これにスプラッター・カントリーフォークなどをミックス*2。収拾がつかなくなったところで富士山を噴火させて唐突に締めるというデウス・エクス・マキナ方式を採用。更にトンデモさを増したモノとなってしまいました。
あと、この映画、挿入歌の入り方がこの上なく不自然でして、地割れに呑み込まれそうになったヒロインを助けようとする緊迫したシーンで、「愛するために〜殺しあうの〜♪(うろ覚えなんで超適当)」なんて歌詞の曲がムードたっぷりに歌い込まれて萎える。そんな歌をバックに中々救出されないもどかしい様子が延々と映し出されるのだが、これがまた長い。あんまり長いんで「おいおい、まさかこの曲をフルコーラス流す気じゃないだろうな?」と悪い予感を抱いていたら、見事に不安が的中して脱力しました。

*1:調べたら関西ローカルのタレントらしい

*2:ネットで色々調べたら、「唐突に登場した馬の首の切断死体は『ゴッドファーザー』の影響では?」という指摘もあり、これも強ち否定出来ない。