まだまだ深いカルト映画

okmonster2007-03-11

新文芸坐で「第二回 トンデモ映画会」に参加。唐沢俊一氏の選んだ珠玉のトンデモ映画をぶっ続けで観る。いや、凄かった。まだまだこの世には自分の知らない怪作が潜んでいるコトを、改めて再認識させられました。
一発目の『アマゾン無宿 世紀の大魔王』から既にぶっ飛んでまして、色々ツッコミ所も満載で随分と面白い映画なのですが、主演の片岡千恵蔵が狂人のフリして精神病院に乗り込む辺りが、今の今までソフト化されていない原因なのかと。
躁病患者のコトを「オマツリキチガイ」と呼び、施している治療を「ま、人体実験ですよ。」ってサラリと流すお医者さんのセンスが大好きなんですけど。
で、二本目の『華魁〈おいらん〉』は更に凄い。江戸川乱歩の作品を寄せ集めてゴッタ煮したのが、カルト映画と名高い『恐怖畸形人間』ならば、本作は谷崎潤一郎のゴッタ煮にして作った『恐怖刺青人間』といったところか。
中盤まで執拗に続く濡れ場とド大根芝居の連続で、まるで早送りの出来ないハズレAVを観てるようなもどかしさ、ウンザリ感があったのですが、後半の怒濤の展開に差し掛かった辺りで客席大爆笑&拍手喝采。素面で観たらどうだか知りませんが、夜中のハイな気分が生み出した最高のギャグでした。…しかし、本気で作ってるのか?アレは?
と、まぁ、前の二作がトンデモ過ぎて、トリを務めた『狼の紋章』が霞んでしまいましたが、あれも後になって国家権力に立ち向かう反体制のメタファーであると知り、色んな意味で驚愕。確かに敵役である松田優作の部屋にある鷹の剥製を延々と撮るといった思い当たるシーンは山ほどあったけど、観てる時は全く気付かんかったわ。