戦国自衛隊1549 雑感特別編

okmonster2005-06-20

6月11日15時 新宿の喫茶店にて

俺:はい、つーコトで月一雑談も今回で5回目。今日は先月も一緒だったH氏と、同じく大学時代からのダチである八束氏を向かえてお送りします。
H・八:ども。
俺:…何だか回を追う毎に人数が増えてるよね。来月はまた増えるかも。
キ:呼んだのはオマエだろ。ちゃんと纏められるんだろうな*1
俺:んー…、微妙。
キ:無計画なヤツだ。
俺:っていうかね、本作がお気に召さなかったからといって、俺にアタるのは止してくれないか?
キ:別にアタってるワケじゃ無いんだが…。まぁ、言いたい事が沢山あるコトは確かだけどな

そんなに戦争がしたくないか!

キ:まず第一に兵装がしょぼいいんだよ。自衛隊全面協賛の映画なのに…。第一、目的は歴史修正の為に前部隊を殲滅させるコトだろ?なのに、あのショボさ。あんなん返り討ちに遭って当然だろ?
H:まぁ、殲滅って目的は冒頭では秘匿されてたから仕方ないんじゃないのか?
俺:あと、監督のインタビューに拠ればもう一つ理由があってな。本作で自衛隊が全面協力する条件として自衛官同士の戦闘描写は避けてくれ」っつーのがあったらしいんだ。だから重装備で討ちに行く描写を避けたのでは?
八:?でも結局戦ってたじゃん?
俺:だから、戦う前に途中で鹿賀丈史に「俺は自衛隊を辞める」って演説させたんだよ。
八:なんだか頓知みたいな処理の仕方だな。
俺:…あとは軍事考証のミスとかを知り合いのミリタリーオタクに訊いてみたかったんだよな。何かテープ丸々消費させるぐらい語り尽くせるんじゃないかと。
キ:逆に怒って帰るかも知れんよ。コブラの兵装だって、サイドワインダーを着けてるクセして16式噴射口に弾込めて無いし
俺:でも部隊が使用するレーションとか、ミリヲタに向けての細かい配慮は、結構為されてた気がするんだが…。
H:だが、いくらレーションとはいえ、女性の軍曹に山菜飯を持ってくという男のセンスはどうかと思う(笑)。

キャラ描写について

俺:誰とは言わないけどさー、主要キャラの一部が大根演技なのはどうかと思うんだ。TVドラマ俳優だから仕方ないんだけど*2
キ:でも、ミクニって隊員はよかった。唯一性格が描写されてるキャラだったから、死んだ時にちゃんと感情移入もできる。
八:だけど、“家族の写真を見せる”って行為自体が既に死亡フラグだと思うんだ。これって、かなり使い古された表現だろ?だから俺はあの時点で、「ああ、コイツ死ぬな。」って判ったぞ。
キ:かも知れないけど、まだマシな方だぞ。他のキャラなんて全く感情移入出来なかった。生瀬勝久が特攻かけるトコとか、本来なら盛り上がるシーンの筈なのに。グッとこないし。
俺:あ、そう?俺、割とその場面好きだぞ。
H:自衛隊のあり方とかそういうのを問う映画なら『宣戦布告』の方が面白いわな。
俺:考え方の違う軍人が対立するって構図だから、どっちかっつーと『亡国のイージス』に近いかな。そもそもキャラ描写が弱いのは、部隊全体で一つのパーソナルを担ってるから、その隊一人一人の心情を表現出来ないんだろうな。ソレをしてりゃ、各々のキャラに広がりも見せられたんだろうが、そんなコトしてたら尺が倍あったって足りねぇ。
H:いっそ3部作・9時間超の大作にすれば…
キ:指輪物語かよ。
俺:…逆にキャラで特に良かったのは、伊武雅刀北村一輝だな。あの二人って『ゴジラ FINAL WARS』でも、X星人の上司と部下を演じてるからな。相性良いんじゃねぇの。
H:最後に濃姫についてなんだが、あんだけ爆破現場の近くに居ながら、着物が全く汚れていない件について…。
俺:あれは途中でクリーニング屋に寄ったんだよ。だから、遅れて登場したんだ。
キ:そういや里見八犬伝でも衣装が全く汚れてなかったけど…
(以下、延々と違う映画の話で盛り上がる)

新しいオチを考える。(激しくネタバレ)

俺:しかし、“歴史の修正”とか色々気に掛けて行動したクセに、実際は噴火でうやむやになるという強引さはどうかと思うんだが。
H:それより最後、現代に戻る時にヘリで飛んだまま帰るけど、確かタイムスリップする際って、電子機器が停止する設定なんだよな?そしたらヘリの運転機能も戻った瞬間に止まってるんじゃねぇの?
キ:あ、そういやそうだな。
俺:まぁ、なんとでもなるんじゃないの?プラズマだし。
八:SFで困った時はプラズマって万能だよねー。
H:それで、ヘリは墜落しかけるんだけど、行った時には無かった近代的なビルに引っかかるんだよ。で、外の世界を見た江口洋介が一言「いっけねぇ。今度は未来に来ちゃったー(棒読み)」ってオチはどうだろ?
俺:で、その未来では、サルが人類を支配しているんだな。
キ:違う映画じゃんか。
八:つーか、バッドエンドじゃダメだろ。冒頭とシーンと同じように居酒屋で新聞めくったら、あの場所から藤吉郎に託したライターが発掘されて新しいオーパーツとして歴史に名を残す…ってオチはどうだろう?
キ:…イヤ、「どうだろう?」って言われても…。

オールド・ファッションを再び

H:しかし、角川60周年記念作だけあって、角川のおじいちゃんとか上の世代の政治力が作った感じだよな。なんだか時代に逆行しているカンジで。
俺:チョット前に日本沈没をリメイクする企画が上がってたんだけど、やっぱ金掛かるからポシャったって話を聞いた。人海戦術を使ったスケールのデカい作品って日本ではハズれると痛いからって、あんまり作られないんだよ。だからこういう映画がヒットを飛ばしてくれないと、次に繋がらない。
キ:昔は金掛けた大作はツマンネーとか散々言ってたが、無きゃ無いで寂しい…って理屈だな。
俺:だってさー。愛だの恋だの謳って、自動車一つも爆破してないような映画ばかり並べられるとさー、こういう類の日本映画が恋しくなるんだよー。
キ:観たら観たで文句言うクセに。
俺:…まぁ、そうなんだけどね。

採点及び一言感想(五点満点)

キ:1.5点 全体としてちょっと…。一瞬だけ今川義元が映ってたのが良かった。朝倉家も出せよ。
H:2点 もっとトンデモキテレツを期待してたのに…。突如、新宿に現れた北村一輝はポイント高し。
八:3点 一般の視点から観ると、こんだけスケールの大きい邦画は久し振りなんじゃないか?
俺:2.5点 良くも悪くも従来の角川映画だ。取敢えず爆破の際にカメラをガクガクさせるのは止めて欲しい。

*1:物凄く時間かかりました

*2:こう書いている時点でかなり限定してる気がするけど…