助太刀屋助六 雑感
遺作。90分に満たない中篇映画だが、何だかもっと短い映画って印象を受けたね。物足りないと見るべきか、面白くて時の経つのが早かったと見るべきか。
相変わらず権力を持つ者が薄汚く(それでいて滑稽に)描かれているが、権力への憧れを抱くキャラが居なくなっているのが大きな特徴(強いて云えば村田雄浩演じる岡引くらいか)。替わりに今回の主人公は、他人の喧嘩に加勢したがるだけのアナーキーな人間に。権力への固執が無くなったのは監督が達観したからか*1?
しかしその主人公。ヤクザ者っつーより寧ろ歌舞伎者みたいな奇抜な格好をしていて、どうも舞台から浮いてる。左右別の布地を縫い合わせた半纏はまだ許せるとして、あの白いスパッツみたいな下着はどうにも違和感を拭えない。
あと言及すべきは、天本英世や佐藤允がカメオ出演してるぐらいか。それと最後の最後にエンドクレジットに「監督 岡本喜八」の文字が出てきたトコで拍手を送るべきか暫く躊躇していたが、誰かが先に叩いてくれたので一緒になって叩いてました。