ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃 雑感

・ラスト。先刻無残な死に様を遂げたキングギドラを大々的にフィーチャーした作品。でも、俺が好きなのはゴジラ上陸〜バラゴンが倒される辺りまでなので、キングギドラが頑張ってるシーンなんて実にどうでもいい。
・平成ガメラで、「お、この人特撮のツボをちゃんと抑えてるじゃん」と、思わせた金子修介監督版のゴジラ。本作もガメラ同様、人間の視点から怪獣を捉える描写を顕著に出すコトにより、作品内での怪獣の存在感を際立たせています*1。
・本作ではゴジラを“太平洋戦争で没した英霊の残留思念である”という大胆な解釈が施され、シリーズ全体でも結構異色な設定が為されていて面白いのだが、怪獣という突飛な生き物を違和感無く出現させる為に、アレコレと設定を説明して辻褄を合わせるのは、何だか言い訳っぽくて俺的にはあまり好きじゃなかったり。怪獣なんざ所詮嘘の塊なんだから、重箱の隅をつつくような細かい設定なんていいじゃんか。…って思ってしまう。俺が怪獣映画に最も望むのは破壊のカタルシスであって、怪獣そのものでは無いからね。
・まぁ、そうした点では、本作は非常に魅力的な映画。街なんて壊されてナンボのモンだからな。
・あと、ガメラの頃から思ってましたが、大谷幸のスコアは素晴らしいです。電子音楽を取り入れるスタイルは古風な特撮ファンにはあまり馴染まないかも知れませんが、怪獣映画に相応しい重量感のあるサウンドが、否が応にも盛り上げてくれます。

*1:逆にリアル過ぎて「“災害”を“怪獣”に置き換えただけのパニック映画」と評されるコトもしばしば。