無論、"ヤン"提督でもない

『フレイルティー 妄執』を観る。

『インディペンデンス・デイ』で大統領やってたビル・プルマン監督・主演のヤンパパ映画。ヤンパパつっても"ヤンキー"とか"ヤング"の略ではない方のヤン。以前から観たいなー、と思ってたけど近所に置いてなくて、この前中野のツタヤで初めて見かけたんで借りました。
自動車修理工の父と二人の息子の三人家族。決して裕福ではないものの、幸せな家庭。ところがある夜、突然父が息子達を叩き起こしてこう告げる。
「父さん、さっき神の声を聞いちゃったよ」
曰く、ベッドに入ったら神様に呼ばれたんだそうで、我々家族は人間に姿を変えた悪魔を滅ぼす神の使いに選ばれたんだそうで、近いうちに自分らに3つの武器と悪魔の名前の記載されたリストを授けるのだそうで…
真剣な面持ちで語る父に対し「あちゃあ、電波だ」と不安な顔つきの兄と、思いの外食いつきの良い幼い弟。そうこうするうちに父はどっかの廃屋で聖なる武器(斧・薄汚い手袋・よく判んない鉄パイプ)を拾い、子供達にメモ書きのリストを見せつけ、ついに"最初の悪魔"を拉致ってきた…。
次第に奇行がエスカレートしつつも息子へ変わらぬ愛情を注ぐ父、父を止めることも逃げ出すことも出来ずに悩みまくる兄、父の話を真に受けてノリノリの弟。死体の山を積み上げながらそれぞれの想いが交錯していくの観て「ああ、これは修復出来ない程壊れてしまった家族の絆を描く物語なのかなー」とか思ってたら最後の方で反則技みたいな展開を出されて呆然。
いや、これはこれでかなり好きだけどさー。なんか前半とのバランスが悪く感じちゃってさー。もっと湿っぽいサイコサスペンスにしてくれたらなー。と思った。
別につまんないワケじゃない(寧ろ面白い部類の作品)ので誤解しないで欲しいけど、最後に「ええーっ!!」と言いたい人向け。