皇帝ペンギン 雑感

・予告どおり、今日は池袋で『皇帝ペンギン』を観て参りましたよ。実を云うと昨日は全く寝てなかったので、上映中に爆睡しそうな気がしないでもなかったのですが、中々どうして愉しめましたよ、ホント。…まぁ、若干楽しみ方に問題がある気がしないでもないが
・予想した通り画面は物凄くキレイでして、「辛抱強く撮ったなー」って撮影班のガッツに先ず感心。海に潜るペンギンが魚雷のように潜水する様は、「アレ?これCG?」などとトンチンカンな錯覚をする程優雅でカッコ良かったです。
・…が、そうした正当な楽しみ方をしている一方で、「コイツ等を人間に置き換えたら凄ぇ滑稽なんだろうなー。」とか思って観てる邪な自分がいたり。「雌ペンギンを求めて何十日も氷山を突き進むのって、人間に置き換えると合コン会場へ行くのに八甲田山越えるようなモンだよなー」とか。子孫を残す為に必死なペンギンに対して不埒な想像をしては一人ニヤニヤしてた俺。きっとペンギンの祟りに遭うぞ。
・逆に、ペンギンをより人間らしく描こうとしているのも本作の特徴で、例えば交尾のシーンを“愛のダンス”などと、甘ったるいオブラードに包んだ表現をしているのだが、その撮り方が凄まじく丁寧で、まるで人間のベッドシーンの如き。互いの体を嘴で愛撫し合い、後ろにはムード満点の音楽が流れりる。…おお、すげぇ。ペンギンの交尾をここまで扇情的に撮るとは!ちょっと笑いそうになった。
つーか、全体的にドキュメントっつーよりも、(フランス映画だからか)愛だの恋だのを強調させていて、物語然としてるのが、俺的には気に喰わなかったり。もっとディスカバリーチャンネルっぽく淡々とナレーションしてくれ。とか思ったり。アメリカ版の吹替えはモーガン・フリーマンが一人でやっているとのコトで、そっちの方が観たかったかも。
それに、お子様の眼を配慮してか、天敵に喰われるシーンは伏せてあるんだよねー。凍死した雛とか迷いペンギンとかはまざまざと見せ付けてるクセしてな。(…それとも画面に“赤”の色彩を入れるのを嫌ったのかね?だとすれば、徹底してるなぁ)
・あと、エンディングでビョークのパクリみてぇなカンジの歌が流れるんだが、あれだけ極寒の厳しい世界を延々と描いておきながら、いけしゃあしゃあと「南極はパラダイス〜♪」みたいな歌詞を歌い上げるのはいい根性してるなと思った。